グリーン合成・転換教育部重点実験室

  グリーン合成・転換教育部重点実験室は、天津大学化学工学科による主導のもと設立されました。当実験室には現在、常勤研究員が50人、非常勤メンバーが36人所属しており、そのうち中国工程院の院士が1人、国家傑出青年基金受賞者が5人、優秀青年基金受賞者が4人、青年長江学者が1人含まれます。また、科学技術部イノベーションチームが2つ、教育部イノベーションチームが1つあり、院士と傑出青年などを学術リーダーとする体系化された人材チームが形成されています。石油化学工業の継承と発展に基づき、当実験室は国家経済、社会発展、および国家安全保障に関わる重大な科学技術問題を目指し、国際的なグリーン化学の発展の最前線に焦点を当て、エネルギーおよび資源の効率的変換とクリーン利用に関連する革新的な応用基礎研究を行っています。これにより、顕著な強みと特色を持つ3つの研究方向を形成しています。

  (1)C1化学と化学工学:天然ガスや合成ガスを原料とした基本的な有機化学品のグリーン化学プロセスを中心に研究しています。プラズマ処理による効率的な触媒の製造とプラズマ直接化学変換の画期的な手法の提案、確立を通して、メタンおよびCO2の効率的な変換を実現しました。また、合成ガスからのエチレングリコール/エタノール製造のための銅系触媒の構造と原子価の形成成メカニズムとその作用機構を解明し、石炭からのエチレングリコールを製造するための一連の重要技術を確立し、エンジニアリングスケールでの応用に成功しました。

  (2) 機能性化学品と新素材のグリーン合成:主に航空宇宙、膜分離、環境触媒などに関連する分野における新素材と新エネルギー源のグリーン合成に焦点を当てます。

  (3)バイオマスエネルギーとバイオマスの化学処理:主にバイオマスの化学処理およびバイオマス燃料の製造および関連プロセスの強化と統合の研究に重点を置いています。独立した知的財産権を持つ非穀物・ジャガイモ原料から燃料用エタノールを生産するための主要技術が開発され、バイオエタノールの資源利用における重大な突破を達成しました。

  過去5年間、当実験室はさまざまな面で飛躍的な進歩を遂げました。国家重点研究開発計画、973計画、863計画、重大な産学研プロジェクトなどの研究プロジェクトを285件担当し、累積科学研究資金は3.69億元に達しました。Nature Reviews Chemistry、米国化学会誌、AIChE Journalなどの国際的に高水準なジャーナルに1,099編のSCI論文を発表し、そのうち42編はESI高被引用度論文に選ばれました。また、中国発明特許を169件取得し、国家自然科学二等賞を1件、国家技術発明二等賞を1件、国家科学技術進歩賞二等賞を2件、省部級科学技術賞一等賞を10件、中国特許優秀賞を2件受賞しました。

  当実験室は設立以来、一連の国際および国内学術会議を主催しており、これらの国内外の学術交流は、実験室の国内外における学術的影響力を大いに高めています。