当実験室は天津大学の「化学工学およびテクノロジー」の国家重点学科に基づき2007年に設立され、中国で最も長い歴史を持つシステム生物工学と合成生物学の研究基地です。本実験室は、バイオ医療、エネルギー、バイオベース化学品の合成などの国家の重大なニーズに焦点を当て、世界の科学技術の最前線を追求しています。バイオインフォマティクス解析、合成生物学、バイオプロセス工学を核心とし、モデルシミュレーションと実験を組み合わせた応用基礎研究に位置づけられています。(1)バイオインフォマティクスと合成生物学、(2)生物反応と代謝工学、(3)生物分離工学、(4)産業生物学的プロセスのシステム分析と最適化、といった特徴的な研究方向を形成しています。また、当実験室はシステム生物工学と合成生物学の分野において世界的に有名な研究機関の一つであり、同時に高度人材の育成においても重要な拠点となっています。
当実験室には、常勤研究員が45人、上級職階が37人います。そのうち、中国科学院の院士および第三世界科学院の院士が1人、長江学者が2人、国家傑出青年基金受賞者が4人、国家優秀青年基金受賞者が7人、長江青年学者が2人、教育部新(跨)世紀優秀人材が14人、青年人材支援プロジェクトが2人含まれています。常勤研究員は化学工学、化学、生物学、コンピューターサイエンスなど関連分野の博士号を持っており、その60%以上が海外の名門大学、または中国国内の他の985大学で博士号を取得しています。学術組織、学科構造、および年齢構成が合理的で、優れた科学研究品質と高い発展潜在力を備えています。40歳以下の研究中堅メンバーは17人で、全体の38%を占めています。上級職階の9人のうち、延べ15人が国家級人材計画に選ばれ、延べ11人が「973計画」/「863計画」/国家重点研究開発計画の研究任務を担当しています。
近年、4つの研究方向において代表的な理論的、重要な技術的成果が得られました。主な研究成果は国際的に見ても先進レベルにあり、一部は最先端の水準に達しています。その中でも、酵母の長い染色体の精密なカスタム合成の成果は、2017年の「中国科学における進歩トップ10」、「中国高等教育機関における科学技術進歩トップ10」、「偉大な変革・改革開放40周年記念大規模展覧会 」に選ばれました。また、海洋分散型軍事センサーの電力要件を満たす発電性能を有する高効率微生物電気エネルギー細胞を設計・構築しました。独立した知的所有権を持つ高収量の菌株が数多く構築され、そのうち20以上の製品の生産量が文献で報告された最高水準に達し、大きな経済的・社会的利益をもたらしています。開発されたタンパク質アフィニティークロマトグラフィー技術は、抗体バイオ医薬品産業のコア技術であり、上記の成果は重要な問題を効果的に解決しました。ゲノムの設計・合成、メゾスコピックスケールのタンパク質分離工学、光電細胞、細胞工場の設計・構築において革新と牽引の役割を果たしてきました。
本実験室は教育部から最初の7つの「合成生物学フロンティアサイエンスセンター」の1つに認定されました。また、「人口合成酵母ゲノム Sc2.0」国際協力プロジェクトおよび国際バイオファウンドリー連盟(GBA)の共同発起人として、国際DNAの製造および操作に関する国際基準と規則を策定しました。さらに、「国家第13次5カ年計画合成生物学計画 」と 「国家重点研究開発計画における合成生物学重点特別プロジェクト実施計画」の作成に参加しました。
外交省と科学技術部からの委任を受けて、国連「生物兵器禁止条約」の締約国交渉に参加し、ワシントンD.C.で合成生物学の安全性に関する「トラック2協議」を開催し、国家バイオセキュリティの科学的・技術的支援を行いました。
実験室のウェブサイト:biosys.tju.edu.cn
メールアドレス:sysbioe@tju.edu.cn